あっという間の初恋

昌世の初恋は、小学五年の春だった。

彼に出逢ったのは、五年のクラス替えの日。

新しい担任の先生が、

「あら?男の子の中に、一人
 女の子が混じってますよ」

と口にしたので、振り向くと、彼がいた。

髪の毛はサラサラ、大きな目はキラキラ…。

女の子と間違えられるのも、仕方ないほどの、
美少年だった。


当然のごとく、昌世は一目惚れ。

けれども、彼を思いながら
幸せな気分になれたのは、その日だけだった。


翌日、学校に行くと、
暴れん坊で、他の男子と騒いでいる、
やたらと態度のでかい、彼がいた。

俺様…キャラだった。



昌世の初恋は、わずか2日で終わった。



これを初恋と呼べるかどうかは、怪しい。
彼を“初恋の人”と呼ぶのも、ちょっと哀しい。

顔だけで判断してしまった、見る目のない
自分自身への教訓として、
とりあえず、初恋としておくことにした。



と、ここで話を終えようとしたのだが、
どうも気になることがある。



そのクラスは、5・6年と二年間続く。
先生も、持ちあがりで、2年間一緒だった。

そして、なぜか、あんなに態度の大きい彼は、
担任の先生から、大きな信頼を得るようになる。

随分と目にかけてもらっている様子が
窺えるようになったのだ。


確かに彼は、頭はよかった。足も速かった。

はきはきと、大きな声で、いつも堂々と話していた。


もしかして、昌世には、彼のいいところが
見えていなかったのかもしれない。

見た目のイメージと異なる、彼自身に、
戸惑っていただけかもしれない。



ということは、
昌世の見る目は、確かだったのかも…。

なんてことを、ふと思う。



彼がその後、どんな人生を歩んだのか、
昌世は知らない。



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テーマ:散文 - ジャンル:小説・文学

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